「Cook Nippon!」について

logo

近年、地域経済は大変厳しい環境に直面しており、中でも後継者、耕作放棄地、食の安全など数々の課題を抱えている農業の行く末が懸念されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりさらに厳しい状況を迎えています。しかし、日本の農業、日本独自の食材の価値を再度見直してみることは、グローバルな時代においてこそ大切なものではないか、と私たちは思っています。「食」からはじまる日本各地への興味、そして、それが地域活性へのキッカケになれば。それには従来型の枠組みではなく、プライドと愛情を持って食材を育てている生産者の方々を応援、サポートしていくような仕組みが必要なはずです。とりわけ、私たちは、地域の気候風土、食文化などと密接な関係を持ちながら脈々とその土地で受け継がれてきた伝統野菜に注目し、その価値の再認識に努めています。

畑と食材と生産者による地域活性化を目指して

テーマは、全国各地域のそれぞれの気候風土や食文化を反映した「地域食材」。基本的には農産物が中心で、しかも「伝統野菜」にフォーカスしています。地域で独自に育まれた食材の一部は既にブランド食材として全国に流通しているものもありますが、ほとんどはまだ域内で、或いは小規模なネット取引等で流通しているに過ぎません。

かつて「地産地消」という言葉が広く使われていましたが、「自慢の食材をもっと多くの人に知っていただき、味わってもらいたい」という生産者の思いからも、地域経済がどう連携・拡大していけるのかの可能性を探る意味でも、域外への発信はこれからの大切な取り組みではないかと認識いたします。それはいわば、食材が地域と大都市圏、或いは地域間を結ぶメディアとなり、それぞれの地域の食文化をリスペクトし合うような環境かもしれません。

当プロジェクトは、地域食材、野菜自体の豊かな滋味はもちろん、その背景にある地域の歴史、故事、食文化、そして人々の生活習慣を含めた芳醇なコンテンツ、文化保存という日本人にとっての使命感といった複合した状況を把握し、生産、行政、流通、市場などさまざまなステークホルダーを戦略的につないで、ひいては地域の活性化をサポートできるお手伝いができればと考え、食材の価値、おいしさを共有できるプラットフォームを目指します。

メディアとのコラボレーション

『Cook Nippon!』プロジェクトでは、今までに雑誌やWEBメディアとコラボレーションして全国各地の地域食材や伝統料理、食文化など取材したものを発信してきました。主婦向け女性誌で最大部数を誇る月刊誌『サンキュ!』(ベネッセコーポレーション発行)では、1年間にわたって、12道県の生産者を取材するとともに、農産物の紹介と読者の方の手による料理について連載を行いました。また、輝く女性を応援するWEBマガジン『Ane会』でも取材した農産物を提供して女性目線でのオリジナルレシピづくりをサポートしました。

主婦のチカラで!サンキュ!地域活性プロジェクト

連載「全国主婦ブロガーの地元LOVE!」(2013年11月号~2014年10月号)
第1回・新潟県「長岡巾着なす」   第2回・北海道「札幌黄」
第3回・神奈川県「相模半白節成」  第4回・石川県「加賀れんこん」
第5回・鹿児島県「桜島だいこん」  第6回・奈良県「大和まな」
第7回・広島県「広島わけぎ」    第8回・和歌山県「うすいえんどう」
第9回・愛知県「ファーストトマト」
第10回・岡山県「マスカット・オブ・アレキサンドリア」
第11回・沖縄県「ナーベーラー」  第12回・福岡県「博多アスパラガス」


主宰(一般財団法人地域活性機構)

地域活性機構は、日本各地の地域を活性化するために一般財団法人として設立されました。それぞれの地域に応じたプライオリティや方法論を検討し、実践していく上で、さまざまな自治体をはじめ、企業や団体、学校、地域の方々と協働して地域の課題解決、そして持続可能な社会とまちづくりを推進していく活動のお手伝いをさせていただいています。
具体的には、「調査研究」「コンサルティング」「人材育成支援」「情報発信」「コンテンツ開発」の5事業を柱としています。
なかでも、「食」にフォーカスした「Cook Nippon!」事業では、シンポジウム、雑誌やWEBメディアなどを通じた情報発信、さらに内閣府の「地方創生カレッジ」事業において、『伝統野菜などを基軸にした地域活性化』講座を開講するなど、全国47都道府県の食材、「食」文化を生かした産業や観光、イベントなどの事例を踏まえ、「食」情報の収集、発信、調査・研究、啓蒙などに取り組んでおり、今後ますます「Cook Nippon!」プロジェクトの推進を図っていく考えです。